2022-01-01から1年間の記事一覧

何もしていないのに壊れた

起床して枕元に置いてあるスマホに手を伸ばすと、ディスプレイに何やら英字が表示されていた。確かこれはファストブートモードとかいうもので起動したときに表示される画面だ。なぜそんなものが表示されているのだろう、と思いながら電源ボタンを押して再起…

ガス警報器

先週、郵便ポストにガス警報器の点検の知らせが入っていた。それはつまり、ほとんど誰も踏み入れたことのない僕の楽園に誰かが侵入してくるということを意味していた。 点検日の朝。現状人に見せられる部屋をしているのだろうか、と部屋のなかを見回す。半年…

捻じ曲がった自意識

つい先日、好きなバンドの新譜が5年ぶりに出た。その新譜を聴いていると胸のうちがじわりと熱くなって、興奮が体内に収まりきらなくて全身の毛穴から漏れ出し、同時に曲から伝わる繊細な優しさに心を打たれてほろりと涙した。これはもっと多くの人に知られ…

着脱できる体毛

前任の爪切りを今日も探している。俺やっぱりあいつのこと忘れらんねぇよ、と恋愛ドラマの登場人物のような心持ちで部屋を漁っている。前に探した場所を再度探して、ソファの隙間にも手を伸ばしたけれど、やっぱりない。下駄箱の上、キッチンの隅、洗濯機の…

爪切りをなくして

爪切りが見当たらない。爪が伸びてきたから切りたくて、いつも収納している場所に手を伸ばしたけれど、そこには何もなかった。その近辺を探ってもなくて、部屋中を漁っても爪切りの姿はない。もしかしたら前に爪を切ったときにテーブルの上に置きっぱなしに…

謎解き睡眠法

うまく夜に眠りにつくことができない。思い返せば高校生のときは飯も食わずに19時に眠ったりもしていた。きっとあの頃は人生は素晴らしいものだと思い込んでいて自分の将来はまばゆい黄金色に満ちていると信じており不安の一切がなかったから、安らかな睡…

安物を買い続ける

家にいると窓の向こうから聞こえる音が気になってしまう。それらの音は些細で、たとえば子供がボールを蹴る音だったり、車のドアが閉まる音だったり、誰かの叫び声だったりした。そういう音が聞こえてくると、苛立ちよりも不安感が胸のうちを侵食してきて、…

二足歩行の獣

家に引きこもり続ける生活を送っていて、体力がすっかりとなくなってしまった感覚があった。起床して布団の中でスマートフォンを見続けて、腹が減って適当に食事を済まし、ソファに寝転がってスマートフォンを見続ける。このままではいけないと思い直してデ…

ブラジル産冷凍鶏モモ肉の代わりを探している

ブラジル産冷凍鶏モモ肉を愛食している。外国産の安冷凍肉の味が好きだという珍妙の嗜好があるわけもなく、ただそのコスパの良さに惹かれて買い続けていた。昨年の夏頃には、近所のスーパーで2kg600円ほどだった。それが秋になると800円あたりに値…

スーパーカブの春

バイク屋に預けていた原付を引き取りに行ってきた。 雪国だと大体12月から3月あたりまでは積雪のせいで原付に乗ることができない。原付を自分で冬眠させる方法もあるにはあるのだけれど、自分でバッテリーを外したりするのも手間だし、原付の置き場所がマ…

フライ返し鬱

料理をするときにいつも使用していたフライ返しが真っ二つに折れてしまった。凍らせて保管していたもやしをフライパンのなかに入れて火をかけ、かたまったもやしを解こうとそれに目一杯フライ返しを突き立てた際だった。今までも同様のことを行っており、い…

雪解けの季節

いつの間にかだいぶ暖かくなってきた。ついこないだ夏が来たと思いきや、すぐに風が冷たくなって雪が降りはじめて、もう雪解けの季節だ。光陰矢のごとしという言葉が身に沁みてくる。人間の感覚というのは千年前でも今でも、そこまで変わりはないのだという…

カップ焼きそばにまつわるエトセトラ

最近、やたらに腹が減る。少し前までは起床後にプロテインを飲んで昼は何も食わずに夕方ごろになってから米を一合炊いて、鶏肉か豚肉と野菜を炒めて食すぐらいで済んでいたけれど、最近では起床してすぐトーストを二枚食べて、昼にカップラーメンを食べても…

遅すぎる第166回芥川賞受賞作予想

第166回芥川賞の発表が一月の半ばあたりにあった。今回は砂川文次の『ブラックボックス』が受賞したわけだけど、候補作の発表があった段階で文学系のインターネット活動者がよくやっている芥川賞受賞作予想を今回は僕もやってみようかなと思って図書館で候補…

電気ブランとドライブ・マイ・カー

久しぶりに酒が飲みたくなって、エルデンリングを売って得た金で酒を買った。近くの酒屋で電気ブランとドラッグストアで炭酸水、つまみに安いソーセージ。電気ブランは歴史のある飲み方で言うとストレートでチェイサーにビールを挟むというものがあるけれど…

ゲームの話

エルデンリングをTSUTAYAで売却した。元々買うつもりではなかったのだけれど、グループLINEで友人同士がエルデンリングの感想を述べ合っているのを横目で見続けているうちにふつふつとプレイしたい欲求が高まってきて、買ってしまった。合計100時間ほどプレ…